「冬季うつ」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
普通のうつ病と多少異なり、冬の季節に入る11月頃から次のような症状がみられます。
- 体がいつもより重く感じる
- 朝が起きれない
- 過食気味になる
- 外に出るのが億劫になる
これが最終的に仕事に行きたくない、誰にも会いたく無いという状態にまでなってしまい、従来的なうつ病をきたすことがあります。
男女比では女性に多く、寒さに弱い方に起こりやすい傾向です。
冬季うつの原因としてはセロトニン不足と言われ、太陽を光を浴びるようにしてくださいというのが、代表的な予防法であり、症状が強い方になると精神科または心療内科にて『光療法』が行われます。
また、季節的なものであることから、3月頃から徐々に日照時間が早くなってくると改善されていくともいわれます。
人間も動物の一種です。冬に冬眠したい気持ちになるのは当然のことですが、1年間通して体が動かせることが出来るのも人間の特徴でもあります。
だからこそ、1年間通してしっかり動けるような体調を整えることが大事になってきます。
そこで、今回は鍼灸師の立場として季節性うつ病に対する見直してほしいところや予防法をお伝えしていきます。今回の内容を見直してもらうことで冬季うつに対して改善が起こりやすいと私は考えます。
今回の内容を実践してもあまり変わらない場合は、ドクターに相談して、治療を行ってみてください。
生活習慣の見直し
冬季うつに対して、あなたの生活習慣を見直してほしい点は次の通りです。
- 自分の辛い気持ち
- 姿勢
- カフェインの量
- 食事
- 自分へのご褒美イベント
では、一つずつ説明していきます
自分の辛い気持ち
最初は自分の辛い気持ちです。何事でも共通することですが、
まずは自分自身を認めてあげる事が大事です。
症状が改善されない人の特徴として、「頑張りが足りない、何かが足りない」という風に自己否定から入る人が多いです。
あなたも今までいろんなことに挑戦されたと思います。それをまずは認めてあげる事、そして今の自分自身の気持ちを誰かに話すことが大事です。
自分が辛い状態で何か新しい行動しようとすること自体が間違いです。辛い気持ちを口を挟まずに聞いてくれる相手を見つけて話してみましょう。
ここでのポイントははただただ話を聞いてくれる人です。あなたの感情に対して自分の意見を言ってくる人や、途中で口を出す人はNGです。「辛いから最後まで話をさせて」と相手に前ふりを言う事で話を聞いてくれる家族や友人はきっといるはずです。
もし、相手がいない場合は、カウンセラーに相談するか、紙に自分の気持ちをひたすら書き込んで吐き出していきましょう。
そして、「辛かったね、よく頑張ったね」と自分自身に言ってあげてください。気持ちを吐き出す前と比べて、心が落ち着いてきたなら、次からの「姿勢」から順番に取り組んでください。
姿勢
まず、寒くなるとどのような姿勢を取りますか?
ほとんどの方が身を縮めるといった格好を取ると思います。この身を縮める姿勢とは、顔と肩と腕を胸の方に寄せる格好をして、身体を緊張させる行為のことです。
この姿勢は体の熱が奪われないようにするための人間としての本能的な行為になりますが、実はこの姿勢からはいろいろな負の財産が生まれます。
マイナスな思考が出てくる
1つ目はマイナスな思考が出てくることです。あなたが怖い人に怒られそうと不安になった時や、心配事が強くなって体が震えたことはあるのではないでしょうか?
精神的な緊張でも体は震える現象を起こします。しかし、体が震える事だけで、不安になったときと同じ格好で震えていたら、脳は寒さで震えているのか?不安で震えているのかが区別がつかなくなることがあります。
結果的に、寒さで震えているのに思考がマイナスなことを考えてしまう事が考えられます。だからこそマイナスな思考になっているなと感じたら「俺は寒さで震えているだけだ」と唱えてください。脳は明確になればそれだけを考えるようになるはずです。脳と対話することこれを意識してみてください。
首肩周りが凝ってくる
2つ目は、首肩周りが凝ってくることです。寒さで体を震えさせること、また寒い時に温かい恰好をする為に何枚も服を着てしまうと、首肩周りが緊張して肩こりや首コリの原因にもなります。
首周りの緊張は脳への血流が悪くなり、自律神経や体温調節に司る視床下部などの働きが悪くなることがあります。頭痛や立ちくらみ、めまいなどが起こりやすい人は要注意です。
首肩まわりが凝ってくるのに対して、特別何も対策をしていないとそれが蓄積された結果、体が重たく感じ、睡眠の質も下がってしまいます。ただでさえ、寒い環境は体が硬くなりやすいのでなるべく寒いと感じたら大きく関節を動かすことを私はお勧めします。
姿勢のポイントと対策とポイント
この2つから対策として、寒い時は何枚も服を着ることをやめて、なるべく大きく体の各関節を動かしてみることです。体の各関節をいうと難しいので、ラジオ体操のようなまとまった体操をやってみてください。
各関節を動かすことで筋肉への血流も上がります。そして、姿勢は基本は堂々とした姿勢をすることです。胸を張り、視線を遠くをみて、背筋をピンと伸ばすようにするようにしましょう。
ポイントとしては、あなたのメンターや好きな人と同じようなふるまいをやるようにしてください。あこがれている人の動き方のマネをすると、きっとあなたにも同じように興奮する気持ちになれるはずです。ぜひともやってみましょう
カフェインの量
普段からコーヒーやお茶をよく飲まれる方はここにも落とし穴があります。
食材の基本として、暑い地域でとれる食材は体を冷やす、寒い地域でとれる食材は体を温めると言われてきました。コーヒーの豆やお茶の葉は気候が暖かいから暑い場所でとれるものです。
なので、冬場に熱めのコーヒーを飲むという方は体を一時的に温めてはいますが、結果的に体を冷やす結果になってしまい、血行不良をきたしてしまうことになります。
そして、お茶やコーヒーに含まれているカフェインは利尿作用があります。利尿作用とは尿が回数が増えるまたは、1回で出す尿量が増える作用を言います。
尿の回数が増えることで、体内の水分量が減ってしまっている状態になってしまいます。飲み物が普段からコーヒーとお茶だけという方は注意が必要です。
ここまでを振り返っても、
寒くて血液循環が悪くなり、
コーヒーで体を冷やして循環が悪くなり、
カフェインで体内水分を減らして血液がドロドロになる
こんな状態になってしまうので、カフェインの取り過ぎには気をつけましょう。
食事
結論から言いますと、
冬野菜をたくさん取りましょうということです。
あなたの食事を見直し、夏と食べるものがあまり変わってないことは無いでしょうか?
- 冬なのに、トマト・きゅうり・なすびなどの夏野菜ばかり摂っている
- 肉や麺ばかり食べている
- そもそも野菜は野菜ジュースで賄っている
上記に該当する方が多いのでは無いでしょうか?外食にいけば、いつものメニュー。スーパーに行けばお惣菜かインスタント食品ばかり摂っているのが、現代社会の食生活事情だと私は思います。
これらの食生活をした結果、現代ではたくさん食べているのに栄養失調をきたしている人がいます。
なので、冬の体調を整えるためにも食事は意識してください。
冬野菜の代表的なものは、ごぼう・にんじん・だいこん・ねぎ・ほうれん草などです。詳しくは「冬野菜」で検索してみてください。
冬野菜を使った鍋料理や汁物を摂ることを意識してみてやってみてください。
また、自分で料理することで心身の気持ちを落ち着かせる効果があります。高齢者の認知症予防などで「料理療法」というものがあるくらいです。
温かい料理を作っていきましょう。
自分へのご褒美イベント
最後は自分へのご褒美イベントです。
あなたに質問です。今週末の楽しみ・今月の楽しみ・そして今年の楽しみは設定してますでしょうか?
子供の頃は週末には〇〇に遊びに行って、今月は××が販売される、今年の楽しみはクリスマスにサンタさんからこれを買ってもらおうと言う感じで楽しみがあったはずです。
大人になり、仕事や家事に追われて自分への楽しみを忘れてませんか?
出来たら1ヶ月頑張った先にこれがある、半年頑張ったら先にこれがあると言う形で自分自身にご褒美を用意してあげてください。
このご褒美は目標達成・未達成に関係なく、この日を迎えることが楽しみするという考えで設定してください。
楽しみを体験したら、もっと楽しいことを迎えたいと言う気持ちになれば正解です。次の楽しい気持ちを手に入れるには、これだけのことをやってみようと意欲が出るように日々自分自身へのイベントを用意しておきましょう
最後に・・・・・
冬季うつはある日突然感じるようになります。毎年発症する人もいれば、今年初めてという方もおられるはずです。
病気を解消することは大事ですが、鍼灸師の視点でみるとやはり日頃の生活環境で無理がかかっているところを見直すことが大事だと思います。
情報も物もあふれてる時代だからこそ、それらを取りに行くのはいつでもできます。
しかし、自分自身の気持ちの整理を後回しにするのは、心も体も痛めつけれるものです。生活習慣を見直すことで、どれだけ不健康な生き方をしていたかを見つけることが出来たら嬉しい限りです。
特に、最初の見直しである「自分の辛い気持ち」は一番目かつ、じっくりやってあげてください。
冬が辛いから一つ加えて冬は幸せと感じれるようになる事を祈ります。
今回はここまでです。
あなたの可能性を信じて・・・・・
ではまたお会いしましょう。
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