痛みには、急性痛と慢性痛というものがあります。
急性痛は現在明確な原因があって痛みが生じたもの
ー 急性痛の一例 ー
- 歩いていて転んで手を捻った
- 中腰で荷物を持ち上げた際に腰を痛めた
- スポーツ中、相手とぶつかって痛めた
このように何をしたかをはっきりと思い出せるものが急性の痛みです。
一方慢性の痛みは、明確な原因がわからず、生活習慣で生じる痛みです。
ー 慢性痛の一例 ー
- 歩いていたら膝が痛くなる
- 座っていたら腰がだるくなる
- スマホを見ていたら肩が凝ってくる
- 寝ていたらふくらはぎがつってくる
などです
このなかで、9割の人は慢性痛で悩まされていると思われます。
なぜ、慢性痛が改善されないのでしょうか?
薬を飲んでないから?マッサージを受けてないから?運動をしていないから?
色々と考えられると思いますが、今回は私が考える慢性痛を改善させるための考え方を紹介させていただこうと思います。
慢性痛の痛みは一番最後にとれるもの
1つ目は慢性痛の痛みは一番最後に取れるものだという事です。
慢性痛で困っている人の特徴として、0か100で考える傾向があります。
痛みがあるのか?ないのか?です。
この考え方をしている限り、いつまでたっても痛みが取れたとは認識できず、年齢のせいとか、自分は体が弱いとかそんな言い訳を自分で作ってしまいがちです。
では、0か100かで考えないようにするためにどうすればいいのでしょうか?
困難リストを作る
私が推奨するのは、困難リストを作ることです。
つまり、痛みが原因で今の自分には何ができないのかを明確にするのです。
例えば膝の痛みがある人で考えてみましょう。
膝が痛む時はどんな時?
- 深く曲げ伸ばしをした時が痛い
- 階段の上り下りが痛くて困難
- しゃがむことが痛い
- 正座ができない
- ジャンプができない
- 杖なしで歩けない
- 座って靴下が履けない
- 1歩目が痛い
- 常に歩くと痛い
- 冷えるとうずく
こんな感じで今、何ができないのかを明確にしてあげることが大事です。
この出来ない・困難リストが明確にしていない限り、あなたの痛みは改善しないものになります。
なぜなら、漠然と出来ない事だけに意識がいくからです。
これは、我々治療する現場のものからいうと、痛い痛いと言われている人に、一つずつ動きを確認してみると、以前はこれが出来なかったものが簡単に出来るようになっているというものが多くあるのです。
患者さんはそれを気づいていないことが結構あります。
困難リストの使い方・活用方法
困難リストの使い方は下記の通りです
- 困難リストを作成する
- その困難リストから自分が出来るようになりたい困難、またはお医者さんや専門の人にレベルの低い簡単な困難の改善に挑戦する
- 改善できたものからマジックで塗りつぶす
この方法で、あなたの困難に立ち向かって改善したものを塗りつぶしてほしいのです。
塗りつぶしてきた数、またはマジックで染まったノートをみると、これだけのことが自分には出来るようになったと、自分自身を認められるようになるでしょう。
困難リストは本当におすすめです。今自分の何が出来ない・困難なのかをしっかりと明確にしましょう
そして、困難リストが塗り潰されるようになったときに、初めて痛みがとれたと言えるのです。
なので、痛みは困難が改善されない限り取れない = 痛みは最後に取れるのです。
逆に、痛みがだけが取れて、日常生活でできない動きが多いのはおかしいし、まずあり得ません。そこをしっかり理解してくださいね
痛みはあなたに何かを気づかせるサインである
2つ目は痛みはあなたが何かを気づかせるサインであるということです。
神様は人間に必要なものを与えて生まれてくると言われます。
なので、痛みを感じることも必要だからこの感覚があるのです。それを無視して活動をしていると、あなたの体が壊れるだけになります。
特に慢性痛の場合、
「ここを使うのをやめて!!控えて!!」という反応で痛みが出ていることが多いと私は思います。
例えば、腰痛があり、床に落ちているものを拾う動きをする場合、
- 膝を曲げて床に落ちているものを取るのか?
- 膝を使わずに腰だけ曲げて床に落ちているものを取るのか?
この2つの動きの違いでも腰の仕事量が変わります。
つまり、痛みがある場合は、出来る動きを把握することが大切だということと同時に、他の関節や他の筋肉が上手く使えているのかが大事になります。
なので、先ほどの例で言うと、2の膝を使わず腰だけで床に落ちているものを拾う行為をしていたら、慢性痛はいつまでも変わらない事になるのです。
こんな感じで、、、
階段を登るときに左の膝が痛い場合なら、右足から階段を登ることをして、左足は0、5段(右足に揃える)ように登るようにする
右肩が痛いのであれば、左にカバンをかける、何かの工夫を入れて負担を減らす。
など
使っていない部位を見つけてそこを有効に使えるようにしていきましょう。
そうすると、痛みを出すサインは減っていくのだと私は思います。
用は痛いのに使いすぎや無関心でいるな!!ということです。
痛みのサインが出ているのであれば、痛む部分を休ませて他の部位に助けてもらうようにしましょう。
痛みはあなた自身が作っていることもある
あなたは次のリストの中で経験をされてものはありませんか?
- 雨が降る前に節々が痛くなる
- 怪我をした場所に来た、または加害者にあったら思い出して痛みが強くなる
- 高圧的な人の相手をしていると体がしんどくなる
などです。
これらは、脳や自律神経が関係してくると言われます。つまり気持ちです。
不安・恐れ・苛立ちそして、不快なストレス。
これらが脳や自律神経に刺激を与えて、今ある痛みを増幅させる反応をしてくるのだと言われます。
実際に、これは現場で患者さんをみているとよくみられます。
こんな経験がありました。
ぎっくり腰でご来院された患者さん。
鍼治療を行なった後に、動けるようになったと喜んでもらったのですが、
実は、鍼を打ってないのに動けるようになったのです。
流れとしては、今まで鍼治療は怖いからやったことがないと言われてました。注射器と同じような感覚かつ、腕と違い、見えない場所に打たれることに対して恐怖を持たれていただのでしょう
そんな人にいきなり鍼を普通に打っても恐怖が消えない状態だったので、「鍼を入れましたよ」と声をかけながら、予想外に痛みがない事にびっくりされました。
そう、入れたフリだけをしたのです。その後、腰の痛みの確認をすると「さっきより全然マシ」という言葉が返ってきたのです。
ここで言いたいのは、痛みは自分で作っているという事です。
この患者さんの痛みは今の「全然マシ」の痛みしかなかったのです。
つまり、本来の痛みは3しかないのに、患者さん自身が抱えているストレスや思い込みによって3の痛みが7とか10の痛みとして感じられていたのでしょう。
人間の脳というのはそれくらいストレス・思い込みに影響を与えるのです。
火事場のバカ力ということわざもあるくらい、人は何かに集中している時は、他のことを忘れてそれの優先だけを考えるようになります。
あなたの痛みもしっかりと向き合ったことで、本来の痛みがどれくらいなのかを見つけることができるはずです。特に、ストレスや不安ごとが溜まっていないか?ストレス発散するものをしっかりできているか?この辺りをしっかり見直してみましょう。
最後に、、、、、、
今回は痛みが取れない理由についてお伝えしていきましたが、ここまで読んでくれた方の中には、
「科学的な数字がない」というクレームがあがってくるかもしれません。
それに関しては、お詫びするしかありませんが、私も20年間鍼灸師として、現場に立ってさまざまな方を見てきた肌感はそこまで間違ってはいないと思います。
特に「困難リスト」は慢性痛の痛みにお悩みの方には役に立つのではないかと思います。
自分自身としっかり向き合って、痛みを理解して解消してくださいね。
本日はここまでです。
あなたの可能性を信じて・・・・・
ではまた、次回お会いしましょう。
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