まず、ヤマアラシのジレンマという言葉を聞いたことがない人の方が多いのかもしれませんね。
ヤマアラシのジレンマを簡単に説明すると、対人関係で「傷つきたくない」と「コミュニケーションを取りたい」という相反する気持ちの間で板挟みになっている状態を言います。
ヤマアラシは体に棘(とげ)があります。なので、お互いが近づきあったら、棘(とげ)があたり、お互いを傷つけてしまいます。だからと言って離れていたら、相手に寄り添うことが出来ません。
なので、ヤマアラシは試行錯誤の結果、お互いを傷つけずに温めあえる距離を見つけていくのです。
今回の内容は、名刺交換とかでお互いの名前は知っていて、簡単なやり取りはやっているけど、それ以上の信頼が作れないという方に読んでもらえたらと思います。
パーソナルスペースを社会距離から個人距離に近づく方法と考えてもらっても大丈夫です。
このパーソナルスペースの社会距離や個人距離に関しては、記事の後半で説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
「ヤマアラシのジレンマ」に陥りやすい人の特徴
では、このヤマアラシのジレンマに陥りやすい人はどのような人でしょうか?
これは一言で
「自分の価値観を押し付ける人」
だと私は考えます。
- 普通○○である
- ○○すべきだ
- 絶対に○○をしなければならない
こんな感じで、自分軸を相手に共感してもらいたいと思っていると、相手の意見が全く違う時に、この人は敵だと評価してしまい、相手を傷つけてしまいがちです。
もちろん、私の事をわかってほしいという気持ちがあるのはわかります。しかしその気持ちを受け取る相手にも相手の気持ちがあります。
例えると、魚釣りです。自分都合の餌で投げ込んで、自分のタイミングで動かして、自分の力任せで釣竿を引っ張り上げても、うまく魚はつれません。
魚の食べそうな餌をつけて、ゆっくり動かして、食いついたら上手に動かして初めてとれるものです。
なので、相手とよりいい関係を作りたいのなら、
こちらが先に相手を理解する
という意識で寄り添っていきましょう。
ヤマアラシのジレンマの解消方法
では、相手を理解するというマインドで寄り添うのですが、この寄り添いがうまくいかなくて、傷つけてしまいがちなのです。
では、寄り添い方に注視して実践してもらえば結果が変わってくるはずです。
そこでこれをやってもらいたい。
それは
相手と横に並ぶようにしてください。
つまり、
真正面に立ってコミュニケーションを取ろうとしないでください。
これは、私の独断と偏見ですが、
真正面に立ってコミュニケーションを取るのは、パーソナルスペースが「社会距離」までです。
「社会距離」とは、仕事上の付き合いに適しており、表情の細部よりかは相手の全体像が見える距離を言い、約120㎝から約360㎝と言われております。
ちなみに・・・パーソナルスペースは以下の通りです。(本やネットで多少の誤差はあるかもしれません)
ー パーソナルスペース ―
- 公衆距離:360㎝以上
- 社会距離:約120㎝から約360㎝
- 個人距離:約45㎝から約120㎝
- 密接距離:約45㎝未満
この社会距離から個人距離に近づけることが一番意識していかないと、全く相手との距離が縮まりません。
そして、横に並び、目的物にお互いの視線が行くようにします。
イメージとしたら、二等辺三角形の底辺の点があなたとお相手で、頂点が向かう視線です。
- 車を運転するあなたと、助手席にいるお相手
- 横にならんで、スマホや紙の資料を共有する
- カウンター席で横に並ぶ
- 歩きながら会話する
思いつくのでもこんな感じです。
Q、では、なぜ真正面に立つとダメなのでしょうか?
私が思いつくままにブレインダンプした結果がこれです。
ー 個人距離で真正面に立つとダメな理由 -
- 体形の差(身長が高い人、肩幅が広い人は威圧感が出る)
- じろじろと見られたくない
- 口臭が気になる、唾(つば)がかかる
- 上下関係、優越関係を感じてしまう
脳科学的に他にもあるのかもしれませんが、やはり相手との距離を縮めるには、真正面から挑むのではなく、横に並ぶように近づいていき、そこでお互いは向き合えると感じたら徐々に正面を向き合える仲になれるようにしていきましょう。
今回のまとめ
今回のまとめは次の通りになります
- 自分の価値観だけを押し付けてないかをチェックする
- 先に相手を理解しようという気持ちで付き合う
- 最初は社会距離で設定し、社会距離までは対面に立って交流をする
- 徐々に横に並ぶ習慣をつけて、社会距離から個人距離に近づけていく
- 横に並ぶ意識として、あなた、相手、目的先の二等辺三角形になるようにする
以上になります。ただし、もし横に並ぶのを拒まれたり、相手が距離を離れようとしていたら、もうそれはそれであきらめてください。今はそのタイミングではないという結果だと評価しましょう。
最後に・・・・・
子供のころのように仲良くなれないのが大人です。
いろいろな経験を積んでいき、自分の欠点も把握してきた大人にとって、相手との優劣を感じてしまう能力が身についてしまいます。
なんでこの人の近づきたいのにうまくいかないのかな?そう思ったら、まずは相手との立ち位置を一度変えてみましょう。
『同じ方向を向いている』。この響きだけでも自分と同じ価値観の人なんだという認識をもちます。必ずしも全員にこれで距離が縮まるわけではありませんが、同じ職場や同じ学校。つまり、日々接触している場合なら、確率は上がるはずです。
相手との距離を近づけることが苦手な人は「自分は口下手だから」と自己評価し、話す練習をする人が多く見られます。実際には話を聞いてくれる人の方がほとんどの人は好きなのです。横から近づいてあなたの耳を近づけてください。人付き合いが今まで以上によくなることを期待します。
以上となります。
あなたの可能性を信じて・・・・・
ではまたお会いしましょう。
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