コンコルド効果とは、「もったいない、取り返したい」と感じる心理を利用し、これまでのコストを費やしたものに対して損切りすることを防ぐ心理効果のことです。
代表的なものとして
- ギャンブルで負けていても辞めれない
- ゲームか課金が止まらない
- 成績が悪いのに辞めれない
- 別れたくても別れられない
などです。これらを見ても全て「もったいない、取り返したい」という心理が出る内容ばかりです。
これらを見ると、コンコルド効果を使うと人間をダメにしてしまうのではないか?と考えかもしれません。しかし、コンコルド効果も真面目なあなたが使うのか、詐欺師が使うのかであなたのお客様に与える将来が変わります。
要は、あなたのお客様のゴールを幸せにさせるのであれば、このコンコルド効果は大いに使ってほしいと私は思います。
実際に、私たちの施術業界ではこのコンコルド効果を無意識に使っている人が多く、心身共に満足してもらおうと努力している方が多いです。
今回はコンコルド効果を実践の場で行う基本ポイントと、実際に私たちの施術業界の一例を挙げて説明していきます。
コンコルド効果を行う基本ポイント
コンコルド効果の基本ポイントは次の通りです
- 先に相手に勝たせる、メリットを体感してもらう
- 経過を記録化しておく
- 次のステージを用意しておく
- 続けてきたベネフィットと辞める事の大きなデメリットを伝える
では、一つずつ見ていきましょう。
先に相手に勝たせる、メリットを体感してもらう
まずは、自分たちの商品やサービスに対しての抵抗感をなくすことが大事です。
よくある例が「無料」と「良い体験」です。
無料なら、「初回無料キャンペーン」とか「1か月間無料」とかです。
良い体験なら、「初日に万馬券が当たった」「1週間目に大きな結果を残した」などです。
特にベストは、「試食」です。
試食は無料でどんなものか食べてみて、美味しかったら、家でも作ってみようとか、家族にも食べてもらおうとか、店員にアレンジレシピを教えてもらおうと前向きに購入をしてもらえます。
入り口をどれだけ入りやすくするか?これはどんな商売でも共通していることだと思います。
施術業界の場合は「来院前の無料相談」が代表的です。他にもあると思いますが、ここでは割愛します。
経過を記録化しておく
2つ目は経過を数字化しておくです。
ここでは、ダイエットを例に出します。
毎日体重計に乗ることによって、今の現状が把握できます。
その数字をみて、モチベーションがあがることや、課題が見つけられる点等を把握します。
ここでのポイントはこちらの評価基準を用意しておくことです。
つまり、経過の基準をお客様に預けていたら、0か100の評価しかいただけないケースが高くなります。
0か100かの評価になると、求めている結果以外はダメということになるので、そうなると続けてもらうことが難しくなります。
私の施術院の現場では、良くなる前の前触れを先に伝えております。
痛みが改善される前にはこのようなポイントが出てきますというサインみたいなものを伝えるという意味合いです。
・ 症状がまだ残っているかもしれないが、筋肉痛が出てきたら、それだけ筋肉が弱くなっていたという結果なので、これから成長することが期待できる。
・ 症状がまだ残っているかもしれないが、以前より、眠気が強くなってきていると言う事は、身体のなかでストレスが減った可能性があるので、身体の回復が期待できる
こんな感じで、こういうことがあったらこう伝えて納得するように評価基準を用意しておきましょう。
次のステージを用意しておく
3つ目は次のステージを用意しておくことです。
この例は課金型のゲームに多いのではないでしょうか?
課金してくれた方にはこのような特典を用意しております。とか課金すると次のストーリーを見ることが出来ます。など相手がこの後のベネフィットを楽しませるように工夫しております。
ここでのポイントは、次のステージをするベネフィットが明確であることです。
ベネフィットの意味は「その商品を手にして何がどのように変わるのか?何が得られるのか?」を示します。
施術院での現場では、例えば痛みが解消された方には次のステージとして痛みが出ないような体つくりの提案や、他のお悩みを調べ上げて、他の部分の改善の提案などをしてより日常生活のストレスをなくす働きをするようにしていきます。
そして次のステージに来てもらったら、さらに上のステージや他のオプションに参加してもらえるようにする。これを行うことがこのコンコルド効果で一番大事かなとも思います。
日々、次のステージに来てもらう事、これを意識しましょう。
続けてきたメリットと辞める事の大きなデメリットを伝える
最後は、続けてきたメリットと辞める事の大きなデメリットを伝えるです。
人はいつか辞めたい、契約を取り消したいと感じることがあるのが普通です。
なので、長く続けてもらうためにも、今までに体験して良かったことをもう一度思い出させるように説明していきます。
「このときに、これが出来てよかったよね」
「このときに一緒に喜べたね」
「このときは大変でしたよね」
といった感じかな。
そして、今辞めてしまうと今までの経験が無駄になることをしっかり伝えていきましょう。
今まで積み上げたものが無駄になること以上に辞めてしまうとこんなリスクがあると言うものがあればそれを明確に伝えることです。
施術院の現場でよくあるのが、ここで辞めてしまうとあなたのゴールには届かなくなることを伝えることが多いです。
痛みが取れたから通院はおしまいという考えの方に、「今痛みが取れているだけです。ここで終了したら、また痛みをただただくり返すだけですよ。今まで時間をかけてきたのに、また再発したらまた今まで以上に時間とお金をかけることになるのですが、それでもいいですか?」っていう感じで伝えます。
もちろん最終的には上記の患者さんも卒業することを目的にしておりますが、「あなたの指示に従って続けることを選んでよかった」と言ってもらえるようにすることです。
最後に・・・
今回は、コンコルド効果について普段使っている内容を一部紹介しながらやっていきました。
冒頭にも伝えましたが、コンコルド効果は使い方によっては詐欺としても使えます。相手を良い方向に導くのか?相手から搾取するために使うのか?
あなたにはお客様が幸せな方向に導かせるためにこのコンコルド効果を使えるようにしてもらえたら幸いです。
そして、あなたの周りにも似たような心理作戦を行なって商品を購入させようとする人が多くいることも忘れないで欲しい。
もしあなたに営業さんや勧誘する人から、「これはコンコルド効果を使ってきて、私を騙そうとしているな」と思ったら、キッパリと断ることです。
断るのが怖い、うまく言い包められそうと思ったら、他の友人や家族に相談しましょう。冷静な判断で一緒に断ってもらってください。一人で抱え込むと悪い方向に行くだけです。
使う時も使われる時も、これは自分がいい方向に向かっているのかをしっかり理解・納得してやっていきましょう。
今回はここまでです。
あなたの可能性を信じて・・・・・
ではまた次回お会いしましょう。
コメント